辺野古沖の島に希少な鍾乳石の洞窟 「小さな宝石箱」

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野上隆生
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 沖縄県名護市辺野古の沖にある小島、長島の小さな鍾乳洞に、これまで報告例のない特殊な鍾乳石や微生物が生成に関与した鍾乳石など計14種が見つかった。九州大の学術研究者で元日本洞窟学会会長の浦田健作氏(カルスト地形学)らが確認。小規模ながら数十万年前の生成期から現在まで、鍾乳洞の誕生から成長の痕跡も残る極めて貴重な鍾乳洞だという。沖縄地理学会誌(電子版)に2日付で論文が公開された。

 長島は米軍基地建設に伴う埋め立て工事が進む辺野古崎の沖、約800メートルのサンゴ礁域に浮かぶ。全長約400メートル、最大幅約100メートル、標高13・5メートルの島。

サンゴまとった塔、「ビーチロック」も

 日本自然保護協会が手配した浦田氏らの2018年の調査によると、鍾乳洞は島の南西側にあり、全長約30メートルで、洞口部、東洞、北洞(主部、洞奥部)に分かれている。このうち、高波に打ち寄せられた枝サンゴのかけらが一面に積み上がる北洞主部で、枝サンゴや軽石のかけらをまとった鍾乳石の塔が大小4個見つかった。最大で高さ70センチ、直径20センチほどあり、「固結礫塔(こけつれきとう)」と名付けた。

 「塔」の存在は以前から知られ、天井から落ちる石灰分を含む水のしずくが床ではねて広がったときに石灰分が沈殿してできる石筍(せきじゅん)とみられていた。だが今回の調査で、堆積(たいせき)した枝サンゴや軽石に石灰分を含んだ地下水が落下し、石灰分が沈殿してそれらを固めた世界的に報告例のない生成物だとわかった。

 本来は低緯度地域の砂浜で、日射によって水温が上昇するとできるとされる「ビーチロック」に似た生成物も、北洞主部の床で確認。直射日光の届かない洞窟での報告は例がなく、ビーチロックのでき方を巡る議論に一石を投じることになった。

 このほか、滴下水や流水でで…

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