辺野古サンゴの移植許可撤回「停止を」 防衛省申し立て

沖縄はいま

松山尚幹、国吉美香
[PR]

 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移設予定地にある名護市辺野古沖のサンゴの移植をめぐり、防衛省沖縄防衛局は2日、県による移植許可の撤回を不服として、野上浩太郎農林水産相に対して撤回取り消しを求める審査請求を行った。行政不服審査法に基づく対応で、併せて撤回の執行停止も申し立てた。

 防衛省が移植申請した約4万群体のサンゴについて、県は7月28日、台風や水温の高い時期を避けるといった条件を付けて移植を許可。沖縄防衛局が29日から作業を始めたが、県は条件に従っていないとして、30日付で許可を撤回した。

 岸信夫防衛相審査請求を発表した臨時会見で、移植する4地区のうち1地区の許可期間が7月28日から2カ月間だと指摘し、「夏季とされる7月から9月が制限されるということになれば、全く許可がされていないことと等しくなる」と県の対応を批判した。聴聞を伴わない許可の撤回を「違法」と訴えた。

沖縄知事「正当性を主張していく」

 これを受けて、玉城デニー知事は県庁で記者会見し、「(防衛省の移植作業開始は)ただでさえ高くないサンゴの生残率をますます低下させ、水産資源保護法の趣旨に反する」と指摘。許可の撤回について「水産資源の保護培養のために必要で、適切な対応。農水相に対して県の正当性を主張していく」と語った。

 県の担当者によると、聴聞をせずに許可を撤回したことについては、一部の移植地区はサンゴの群体数が少なく数日で作業が完了する恐れがあったこと、行政手続き法で公益上緊急な場合は許可を取り消すことが認められていることから、今回は必要があると判断。防衛局にもその趣旨を通知したという。県側は農水相の求めに応じて、意見書や弁明書を提出することになる見通しだ。

 行政不服審査請求は、国民が行政に対する不服を申し立てる制度だが、辺野古移設をめぐっては、国の機関が県への対抗措置に使ってきた経緯がある。2018年10月には、県による埋め立て承認の撤回に対し、防衛省審査請求とともに効力停止の申し立てを行った。国土交通相が13日後に効力停止を決めた。辺野古沿岸部には同年12月、土砂が投入された。(松山尚幹、国吉美香)

沖縄はいま

沖縄はいま

続く本土との溝、揺れる米軍基地問題。沖縄でいま、何が起きているのか。[記事一覧へ]