弁護人が指摘した捜査の「穴」 東京地検の起訴取り消し

金子和史
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 軍事転用が可能な噴霧乾燥機を無許可で輸出したとして2020年に逮捕、起訴され、7月30日に東京地検が起訴を取り消した元被告の男性2人らが2日、東京都内で会見し「不十分な捜査だ」と捜査側を批判した。不当に拘束された期間の刑事補償金を国が支払うよう東京地裁に請求する方針も明らかにした。国家賠償訴訟も検討する。

元被告の男性「捜査機関の謝罪なく残念」

 2人は「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(72)と島田順司元役員(68)。警視庁公安部に昨年3月に外為法違反などの疑いで逮捕され、否認していたが、今年2月まで勾留されていた。

 会見に同席した高田剛弁護士は、異例の起訴取り消しの要因について、経済産業省が定める輸出規制の省令を警視庁と地検が「誤って解釈した」と指摘。地検は同社製品が輸出規制対象にあたることを示す実験結果を公判に向けて証拠提出していたが、実験の条件にも「不備があった」と訴えた。

 従業員に口裏合わせを働きかけるとの検察側の主張をふまえ、保釈申請を認めなかった地裁の判断にも「大いに疑問がある」とした。大川原社長は「捜査機関から謝罪がないのが残念だ」と述べた。

 会見で批判を受けたことなどについて、地検は「(起訴取り消しを発表した際に)説明した通り」、地裁は「個別事件における裁判体の判断でありコメントできない」と説明した。(金子和史)