2年ぶりに甲子園を目指した夏 地方大会、悲喜こもごも

山口裕起
[PR]

 2年ぶりに甲子園をめざした夏が戻ってきた。全国各地で球音が響き、球児たちのひたむきなプレーは、高校野球の魅力を改めて教えてくれた。しかし、野球ができることが当たり前ではない。そんなことを痛感させられた夏でもあった。

 新型コロナウイルスは今年も、球児たちを翻弄(ほんろう)した。今春の選抜大会で優勝した東海大相模(神奈川)や、一昨年の夏の全国準優勝校の星稜(石川)など、計9校が野球部員らに感染者が出たとして、出場辞退を余儀なくされた。戦わずしてユニホームを脱ぐことになった3年生の心情を察すると、言葉が見つからない。SNSなどを通じて思いを発信した選手たちの姿に、胸が痛んだ。

 大会前も、コロナの影響で、多くの地域で練習や対外試合を制限された。5月下旬から緊急事態宣言下にある沖縄では、開幕が2週間ずれ込み、大半の学校がほぼぶっつけ本番に。それでも、決勝で敗れた中部商の石川倫主将は「きついこともあったけど、全員で乗り越えることができたので最後は楽しかった。昨年の先輩たちの分も戦った」と笑顔で話してくれた。

 そんななか、全国3603チームが参加した地方大会を勝ち抜いた49代表が2日、出そろった。選抜準優勝の明豊(大分)など春夏連続出場は13校。夏の連続出場(中止になった昨年の第102回大会を挟む)は15校で、最長は作新学院(栃木)で10大会連続となった。8度目の決勝で悲願を達成した新田(愛媛)など初出場は5校。このうち東北学院(宮城)、鹿島学園(茨城)、東明館(佐賀)は春夏通じて初の甲子園にたどり着いた。

 優勝候補に挙げられた有力校の敗退も相次いだ。史上最長タイとなる14大会連続(中止の昨年を挟む)の全国大会出場を目指した聖光学院は、福島大会準々決勝で敗退。4大会連続(同)の頂点を狙った仙台育英は宮城大会4回戦で姿を消した。

 一方で、決勝で敗れた秋田南、仙台三、大分舞鶴、熊本北など、初出場をめざした公立進学校の健闘も光った。

 甲子園大会は9日に開幕する。コロナに加えて、猛暑も続く。万全な対策をとり、代表校が無事に甲子園でのプレーを全うすることを、願ってやまない。(山口裕起)