走り高跳び、仲良しの2選手に金メダル「これがスポーツマンシップ」

陸上

堀川貴弘
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 東京オリンピックの陸上男子走り高跳びで1日、同記録で首位に並んだ2選手がジャンプオフ(第1位決定戦)を行わず、ともに金メダルに輝いた。2人は競技を離れても、結婚式に出席したり、家族旅行をしたりするほどの仲だといい、2日の表彰式でも仲良く表彰台の真ん中に立った。

 2人は世界選手権連覇中のムタズエサ・バルシム(カタール)と、五輪に2大会ぶりに出場したジャンマルコ・タンベリ(イタリア)。ともに2メートル37を1回目で跳び、それまで無効試技がなかったため、本来ならジャンプオフに進むはずだった。ただ、ルールには「当該競技者がもうこれ以上跳躍しないと決めた場合を含み、ジャンプオフが実施されない場合、同成績により第1位となる」とあり、両者同意のうえで競技が終了した。

 「お互いに目と目を見て、これ以上跳ばなくていいよね、と言ったんだ」とバルシム。タンベリは「2人とも負傷を乗り越えて苦労してここまでやってきた。金メダルを共有できることは信じられない」。ともに初の金メダルで、バルシムはこれまで12年ロンドンで銅、16年リオデジャネイロで銀メダルを獲得しており、これですべての色のメダルがそろった。

 1日はゴルフ男子で松山英樹ら7人がプレーオフで1個の銅メダルを争った。これらと比べて「フェアな決定なのか」という質問も飛んだが、「これがスポーツマンシップ。歴史的なこと」とバルシムは言い切った。

 2人は世界ジュニア選手権で出会った。タンベリはリオデジャネイロ五輪の直前に左足首を手術。バルシムも左足首の故障に苦しんでいた時期があり、そうした状況も2人の距離を近づけた。

 2日に行われた表彰式ではお互いに金メダルを掛け合い、国歌はカタールイタリアの順に流れた。(堀川貴弘)