SL 元鉄道員が守る 新庄の公園 解体から一転

上月英興
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 老朽化により解体が検討されていた山形県新庄市蒸気機関車(SL)が一転、修繕されることになった。地元の元鉄道員らが「国鉄の遺産を末代まで残したい」と一肌脱ぐ。

 修繕されるSLは、金沢公園(新庄市若葉町)にあるC58形304号機。長さ18・3メートル、幅2・9メートル、高さ3・9メートル。重さは機関車が53・6トン、燃料や水を積んでいた炭水車(テンダー)が18・5トン。

 川崎車両が1941年に製造し、山形、酒田、新庄の各機関区を含む東北地方で活躍。174万2千キロを走って役目を終え、奥羽線と陸羽東・西線が交わる鉄道の要、新庄駅から近い同公園へ71年に移された。

 それから半世紀。車体は腐食が進み、落書きも点在。チェーンで囲って立ち入り禁止になっていた。鉄道ファンから「何とかしてほしい」という意見も受け、市が解体も検討する中、6月に修繕に名乗りを上げたのが、東日本鉄道OB会新庄支部だ。

 7月31日には、60~90代の会員14人が集結。めくれた車体の表面を工具で丁寧にはがしたり、さび止めをハケで塗ったりした。

 車体上部の修繕には足場が必要で、作業は来年までかかる見込みだ。JR新庄駅長も務めた金山町の正野定見(さだみ)支部長(62)は「国鉄職員は、こういうSLに憧れて鉄道員になる夢を持ったもの。鉄道の原点なので良い形で末永く残して、市民の方々に親しんでほしい」と話す。(上月英興)