粘土質の重い土砂、沈む足元 熱海土石流、捜索現場語る

平賀拓史
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 20人以上が犠牲になった静岡県熱海市土石流災害。発生から1カ月になった現在でも、行方不明者の捜索が続く。現地では栃木県警の機動隊員も捜索活動にあたった。

 県警は7月9日、機動隊員12人と重機1台を現地に派遣した。5日間、行方不明者の捜索にあたった。

 「胸のあたりまで泥につかって捜索することもありました」。指揮にあたった川嶋将之警部補(45)は振り返る。高台の伊豆山神社付近から海に近い国道135号の逢初橋周辺まで広範囲で活動した。

 逢初橋付近は、1階部分まで土砂に埋まった建物が多かった。土砂は粘土質のため、ずっしり重くスコップにまとわりつく。足元がずぶずぶと土砂の中に沈んでいった。

 天候も安定せず、伊豆山神社付近の現場では、近くで土砂崩れが起きた。雨が強まると退避命令が出た。「2018年の西日本豪雨、19年の台風19号など様々な災害現場を経験したので怖さは感じなかったが、隊員の安全を守りつつ作業を続けるのは大変だった」

 現場ではガソリンやオイルなどが混ざりあった異臭が立ちこめていた。道ばたには写真やアルバムが散らばっていた。

 川嶋警部補たちは14日まで作業を続けた。「生活が一瞬で奪われる壮絶さを感じた。行方不明者全員を発見することはできなかったが、任務を完遂して引き継げた。一刻も早く見つかってほしい。今後、栃木県内で起こるかもしれない災害に、今回の経験を生かしたい」と話した。(平賀拓史)