人命軽んじる五輪開催に私は怒る 貧困の現場からの訴え

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文・林るみ 写真・相場郁朗
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 いま爆発的に増えているのはコロナ感染者だけではない。貧困もかつてない速さと広がりで拡大している――。長年、生活困窮者支援の活動に取り組んできた一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さん(52)はそう言います。貧困支援の現場の最前線はどんな状況か、そこから見えるものは何かについて聞きました。

写真・図版
東京・新宿駅西口の地下道。ここで多くの路上生活者の死に出会ったことが活動の原点だ。そして、「つくろい」設立のきっかけは東京五輪の開催決定。過去、五輪の開催都市では路上生活者が排除されてきたが、それを許さない決意だった=東京都新宿区、相場郁朗撮影

 ――東京五輪が後半にさしかかるなか、東京のコロナ感染拡大に歯止めがかかりません。

 東京五輪の開催が引き金となって人の流れが増え、感染が拡大するのは予想されたことであり、私は昨年から「五輪どころではない」「五輪中止」と言い続けてきました。いま、国力のすべてを、感染対策と貧困対策に注力しないと大変なことになる、と。

 私が一番恐れているのは、感染が拡大することでコロナの終息が遅れ、雇用の回復が遅れると、貧困がさらに拡大することです。五輪の開催が強行されたことによって、感染による死者だけでなく、貧困によって死に追い込まれる人が増える。人命が軽んじられている政治に怒りをおぼえます。

自殺はどこまで増えるのか

 ――コロナの感染はおさまっても、貧困によって命を失うと。

 リーマン・ショックの時もそ…

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