「出会いがないじゃねえか!」その愚痴、寺で供養します

酒本友紀子
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 「早くおいしいお酒が飲みたい」「コロナで旅行に行けない。子供の今は、今しかないのに」。白い短冊にしたためられているのは、数々の「愚痴」だ。

 東京都台東区寿1丁目にある厳念寺(ごんねんじ)。約770年の寺の歴史の中で、今夏初めて「愚痴供養祭」を企画し、供養する愚痴を集めている。新型コロナウイルスが収束しないまま、まもなく2度目のお盆を迎える。「愚痴の一つや二つ、こぼしたくなるような世の中になっている」。副住職の菅原耀さん(30)は、そんな思いから供養祭を考えた。

 檀家(だんか)や寺に立ち寄った人などから集まった愚痴は、すでに90枚近く。その半数以上はコロナに絡んだものだ。

 「バカヤロー 出会いが無いじゃねえか!!」「在宅勤務になって仕事増えてる気がします!!」「ワクチン接種が地域によってマチマチなのは仕方ないの?」

 政治への批判も目立つ。「飲食店いつまで時短させるのだ!?」「言葉が伝わる政治へ、まともな政権を!!」

 「主人が口うるさくめんどくさい」「なぜやせない?わりと走ってるのに」……。短冊には暮らしの様々な愚痴もしたためられている。

 菅原さんは上智大学の社会人講座でグリーフ(悲嘆)ケアを学び、大切な人との別れを経験した人たちの心に寄り添ってきた。「コロナ禍の今だからこそ、老若男女問わず感情を分かち合う場が必要。寺がその役割を担えれば」と話す。

 供養祭はお盆の16日に開く。短冊を灯籠(とうろう)に貼り付け、送り火とともに供養する。愚痴は郵送でも受け付けている。(酒本友紀子)