復興遠く、苦しい農業や漁業 停戦2カ月のガザを歩いた

有料会員記事ガザ情勢

ガザ=清宮涼
【動画】停戦後のパレスチナ自治区ガザ地区=清宮涼撮影
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 パレスチナ自治区ガザ地区で5月に起きた軍事衝突で、イスラエル軍とイスラム組織ハマスなどの武装勢力が停戦に入ってから、7月21日で2カ月が過ぎた。ガザ地区を封鎖しているイスラエルは、軍事衝突前よりもガザ地区の物流を制限しており、人々の生活にさらに深刻な影響が出ている。

 7月7日、ガザ市中心部の米AP通信などが入居していたビルの跡地で、エジプトの旗を掲げた重機ががれきを撤去していた。エジプトが6月、「ガザ地区の復興の下地を作る」としてブルドーザーやトラックなどを提供したためだ。

 がれきの撤去は急ピッチで進んでいるが、いまだ復興には手もつけられていない。

 「イスラエルはインフラを破壊することに重点を置いていた。インフラ戦争だった」。ガザ北部やガザ市で廃棄物処理などに関わるアブドラヘム・ゴムボズ氏(62)はそう指摘する。

 イスラエル軍は、ハマスの地下トンネルがあるなどとして、道路などを破壊した。ガザ地区の情報省によると、今回破壊された道路や交差点は277カ所に上る。イスラエルが軍事衝突以降、物流をさらに厳しく制限しているため、電力不足も深刻だという。

 ガザ地区の失業率は5割近かったが、今回の軍事衝突でさらに上がったとの指摘もある。ガザ地区の企業協会のナビル・ムアイレック副会長は「工場の被害が大きく、経済活動は止まってしまった」と話す。被害を受けた工場や会社は1600カ所以上で、数万人が職を失ったとみる。情報省は、今回の軍事衝突によるインフラや家屋の被害や経済などの損失を計4億7900万ドル(約523億円)と見積もっている。

 軍事衝突はガザ地区の主要産業である農業にも深刻な影響を及ぼした。空爆で農地に被害が出ただけでなく、イスラエルが停戦後もガザ地区からの農産物の輸出を制限しているためだ。

 ガザ中部の農家、イサム・バ…

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