都局長「不安あおらないで」発言 感染増、にじむ焦り

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 東京都庁でコロナ禍を1年半取材してきた私にとって、最も耳を疑う都幹部の一言だった。一方で、都庁のある「体質」を表しているとも感じた。

 新型コロナウイルスの感染者数が2848人と、半年ぶりに過去最多を更新した7月27日の夜。保健行政のトップを務める吉村憲彦・福祉保健局長が、記者を前に自説を繰り広げた。

 「感染者は増えているが、1月の時とは感染状況が全く違う。いたずらに不安をあおらないようにしていただきたい」

 都庁では毎晩、新型コロナウイルスの感染状況を説明するための「記者レク」が開かれている。普段の説明は課長が行うが、レクの場に福祉保健局のトップが出てくるのは異例の対応だった。

 環境局の経験が長い吉村局長だが、都庁内では「上から言われたことを忠実に行う都官僚」との評。昨年7月に福祉保健局長に転じた。今回、吉村局長の伝えたかった趣旨はこうだ。

 冬の「第3波」では、重症化しやすい高齢者の感染が多く、当時確保していたコロナ患者用の入院病床4千床は、ピーク時に3427床が埋まった。一方、いまではワクチン接種で高齢者の感染が激減したため、「第3波とは感染状況の質が違う。医療に与える圧迫は違う」というのだ。

都の幹部も「発信、理解できない」

 だが、これらの発言は、都の専門家らが伝えてきた説明と食い違い、医療政策を担当してきたある幹部から見ても、不本意なものだったという。

 21日のモニタリング会議で…

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