トヨタ「カイゼン」習得法 ワクチン接種にも活用

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 トヨタ自動車が磨き上げてきた「トヨタ生産方式」(TPS)。現場の「改善」を日々続け、ムダを徹底的に省く。この考え方がワクチン接種に活用され、改めて注目度が高まった。TPSはなぜ、トヨタの外でも効果的なのか。トヨタの生産部門トップ、岡田政道・執行役員に聞いた。

〈おかだ・まさみち〉 愛知県豊田市出身。東大工卒。1984年、トヨタ自動車入社。三好、明知、元町の工場長などを経て、2021年1月、生産本部長、生産担当の執行役員に就任。休日は農作業や車の運転をして過ごす。「若い時、マークⅡにビビッときた」。今もセダン派。60歳。

 ――TPSといえば、「改善」です。トヨタ社内では、どんな改善をしているのですか?

 「三好工場(愛知県みよし市)では最近、『等速ジョイント』という部品をつくる生産ラインの長さを半分にしました。製品に組み付ける部品は箱に入れてラインの横に並べますが、箱の幅は決まっています。部品の種類が多いと、箱を置くスペースが増えて、ラインも長くなる。そこで、似ている3種類の部品を1種類に統一して、箱の数を減らす改善をしたのです。一方、別の部品に加工を加え、組み立て後の精度は同じに保つ工夫をしました。品質を変えず、工程のムダを除く。こんな改善を日々いくつも積み重ねています」

進展ない日々、3カ月そして3年

 「改善は現場で日々やっているのですが、現実は、目立った進展がない日がほとんどです。昨日と今日で大きく何かが変わるわけではない。でも、3カ月、3年と、こつこつと小さな改善を積み上げていくことで、成果につながる。工程を観察して、考えているだけの時間も結構ある。でも、考え続けているうちに、ある日急に、改善のアイデアが思い浮かぶこともあるのです」

――TPSが「トヨタらしさ」と言われるのは、なぜですか?

 「TPSは、トヨタの源流を…

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