敗れたペテシオ、笑顔で入江聖奈たたえる 試合後に流した涙の理由

ボクシング

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 東京オリンピック(五輪)第12日の3日に行われた、ボクシング女子フェザー級決勝。判定で日本の入江聖奈に軍配は上がった。それでも、フィリピンのネストイ・ペテシオ(29)は笑顔で入江をたたえた。その姿はすがすがしかった。

 同国の報道によると、父親は農業、母親はハウスキーパー。決して裕福な家庭ではなかったという。フィリピンの人気スポーツであるボクシングをやれば賞金が入り、家計を支えることができる。だから父は7歳の時にボクシングをするように言った。

 「本当は学校で習ったバスケットボールをしたかった。最初はボクシングの練習をするのが嫌だった」という。だが、今では「ボクシングを愛している」と語る。15歳からユースの大会に出場するようになり、世界選手権のフェザー級では2014年に2位、19年に初優勝した。東京五輪では優勝候補の一角だった。

 銀メダルに終わったが、表彰台では感情がこみ上げて、涙が止まらなかった。メダリストによる記者会見では「この大会は自分にとってだけでなく、私の国やコーチにとっても重要なものだったから」と語った。

 そして、もう一つ、涙の理由を明かした。「このメダルを、昨年2月13日に亡くなった親友のために捧げたい」。ペテシオにとって、死にものぐるいで決勝のリングに立ってつかんだメダルの色は、関係ない。