入らない大学に入学金、変だ 問われる受験の「常識」

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桑原紀彦
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 入学しない大学に二十数万円もの入学金を払わなくて済むよう、各大学の納付期限を遅くしてほしい――。大学受験で生じる重い負担に疑問を抱き、現状を変えようと動き始めた学生がいる。社会の経済格差が広がり、高額の入学金を負担できる家庭ばかりではなくなっている。長年続く慣習は、変わらないのか。(桑原紀彦)

入学金24万円 ふだん仲の良い両親が

 「私立に行かせることは考えていないから」

 東日本の私立大に今春入学した女子学生(18)は、大学受験を前に親からそう告げられたという。父は公務員、母はパート。国立大に通う3歳上の兄が一人暮らしをしており、仕送りが必要なため家計に余裕はない。

 地元の公立大が第1志望だったが、今年2月初旬に受けた私立女子大に、まず合格した。この大学の入学金納付期限は、第1志望校の合格発表前。入学の権利を確保しておくには入学金24万円を払う必要があった。

 親は入学金を振り込んでくれ…

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2021年8月12日8時10分 投稿
    【視点】

    記事中の「大学の運営のために国から入るお金は、国立大86校が年間で計約1・1兆円なのに対し、私立大は615校(2020年度)で計約3千億円」に注目したい。 OECDの報告書「図表でみる教育2020年版」によれば、日本における教育への公的支

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2021年8月11日18時15分 投稿
    【提案】

    最高裁が指摘する、入学料を支払ったことで得られる「合格者が大学に入学しうる地位を取得するための対価」とは何でしょうか。実際には入学手続き日を決める大学側の決定に、後の合格発表を待つ受験生とその家族が従わざるを得ない権力性があることを見逃して

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