コメ先物「リスク回避に意義」 取引参加歴10年の農家

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聞き手・筒井竜平
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 大阪堂島商品取引所が国内で唯一扱う、コメ先物取引が存続の岐路に立っている。恒久的な取引ができる「本上場」を農林水産省が認めず取引が廃止されれば、利用者にどんな影響があるのか。10年にわたって取引に参加してきたJA大潟村(秋田)の小林肇・組合長に聞いた。

 ――コメの生産者は先物取引をどのように使っていますか。

 「多くの生産者は、収穫期の秋にコメがいくらで売れるのか分からないまま、翌年のタネを発注し、翌年春に作付けをする。本来、採算を見通せないのは大きなリスクだ。先物取引で将来の売却価格を決められれば、所得を確定できる。先物取引での売却価格より実際の価格が上がった場合はもうけ損ねるが、下がった場合のリスクを回避できるという意味で有意義な取引だ。自分が納得した価格で売っておけばいい」

 「私は大学卒業後に2年間、米国のトウモロコシ農場で働いたが、農場はトウモロコシを先物取引で売っておかないと銀行からお金を借りられなかった。それほど先物を使ったリスク回避が定着していた」

 ――先物取引はハイリスクだ、と見る人もいます。

 「生産者にとっては、価格変動のリスクを投資家に移転する取引になる。リスクをとってもうけを狙う不特定多数の投資家がいて、その許容範囲の価格で売買する。生産者にとっては安全で確実に代金回収できる取引だといえる」

 ――それにもかかわらず、先…

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