息子の耳を奪った爆風 復興進まぬベイルートで難民は今

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ベイルート=伊藤喜之
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 レバノンの首都ベイルートの港で起きた大爆発から4日で1年になる。崩れゆく経済、長引く「政治空白」が復興を妨げ、多くの人々が事故の傷痕に苦しみ続けている。

 「あの日は私も爆風で吹き飛ばされ、コンクリ―トの天井に頭をぶつけて意識を失った。でも、まだ幸運な方だった」

 爆心地から約1キロの住宅街で出会ったビル管理業のハラフ・ファラージさん(43)は自宅前でそう語ると、記者に目配せをした。

 電力不足による停電で冷房が止まり、風通しのために開け放された玄関先から、居間に寝ている男性がみえた。ハラフさんの長男(22)だという。

 「息子は爆風で耳が聴こえなくなったんだ」

 元々、脳性マヒを患っていた。「障害があっても、明るい子だった。でも事故後は日中から、こんな風にふさぎ込むようになってしまった」

 2011年に広まった中東の民主化運動アラブの春」後にシリア東部から移り住んだ難民一家でもある。妻と子ども5人の7人家族だが、レバノン政府からの医療支援などは一切なく、「避難先のレバノンで、なぜまたこんな目に遭うのか」と嘆いた。

 爆心地からほど近い地区で…

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