京都料亭「菊乃井」などが認証基準 コロナ対策でタッグ

有料会員記事新型コロナウイルス

高井里佳子
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 京都の有名料理店のオーナーらが、「お眼鏡」にかなった店に「お墨付き」を与える新たな認証基準を作った。審査をするのは、料理の味やおもてなしの質ではなく、新型コロナウイルス対策の徹底具合。最高レベルの安心と安全を国内外にアピールしていく狙いだ。

有名料亭がタッグ

 手がけたのはミシュラン三つ星の「菊乃井」や「瓢亭(ひょうてい)」、室町期から約480年続く「中村楼」、「木乃婦(きのぶ)」、「美濃吉」など、16店のオーナーらでつくる「安心の食プロジェクト認証制度準備委員会」。京都府の補助金500万円を使い、専門家の意見も取り入れ、総額1千万円以上をかけて1年がかりで作った基準だという。

 個室のある飲食店での感染防止策や、調理場での衛生管理など、審査項目は100に上る。認証基準の名は「Chef’s Criteria of New Normal」。「飲食店の最高安全基準」という意味を込めたという。日本の高い衛生基準を世界に発信したいと、表記は英語にした。

 たとえば、「入店や利用人数の基準が適正な算出のもと割り出されている」「換気に必要な空気量の算出を行い、空間ごとの数値が示されている」などの項目があり、対策を数値化もしているのが特徴だ。第三者機関が店の実地調査などを実施して、基準を満たした店を認証する。9月から運用を始める予定だ。

 7月27日の発表会見で、菊乃井の村田吉弘社長(69)は「京都は日本料理の中心地。京都がやると伝播(でんぱ)していき、一つの大きなうねりになる」と京都発の意義を語った。

 実は府も7月19日に認証制度を発表したばかり。その審査項目は38項目で、基準を満たせばステッカーがもらえるというものだ。これに対して、料理店側がつくった認証基準は、府の制度の倍以上の項目を調べるなど、厳しい審査を特徴としている。

 料理店側の認証基準について、西脇隆俊知事は「食品衛生やコンプライアンスに関する基準もあり、府の制度よりはるかにこちらの方が厳しい。感染防止の観点だけでなく、将来にわたって京都を支える食文化の未来を見据えた取り組みだ」と評価する。

料亭主人の思いは

 なぜ料理店みずから、衛生基準の仕組みを作ることになったのか。「安心の食プロジェクト認証制度準備委員会」の代表を務める、京都・嵐山の料理旅館「嵐山辨慶(あらしやまべんけい)」の磯橋輝彦社長(50)が、コロナ禍の現状への危機感や思いを取材に語った。主なやりとりは以下の通り。

 ――コロナ禍で飲食店は厳しい状況に置かれている。どういった危機感を持っているのか?

 今までは、毎日、お客さんを迎え入れることで成り立っていた。来ないとなると、お客さんってこんなにありがたいものだったんだ、とまず一番最初に気付いた。金銭的な面など、今まで考えていなかったことを根本から考えなければいけない状況に直面した。

 若手の料理人の会で「芽生(めばえ)会」という会がある。そこでも全店舗アンケートをとっており、長い間続いている店ほど、やはり「(店を)守らないといけない」という結果が表れた。この苦しい中、どうやって取り組んでいくのか、という恐怖がまず一番にあった。

 今、外食することが「悪」という状況になっており、これが新しいノーマルになってしまうと飲食店や食文化に対する考え方が本当に変わってくる。そこが非常に怖い。

 京都府民だったら、生まれて…

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