草津の小学生が青花紙作りを体験 市内で最後の農家から

寺崎省子
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 滋賀県草津市の市立笠縫(かさぬい)小学校で7月13日、3年生約120人が、「アオバナ」の花びらの汁で和紙を染めた「青花紙」づくりを体験した。アオバナを青花紙用に市内で唯一栽培する中川正雄さん(91)が、子どもたちに作り方を教えた。

 青花紙は、花の汁を和紙に塗って天日で乾かして作る。一定の重さになるまで、塗りと乾燥を繰り返す。青花紙を小さく切って水に浸すと、青い色素が染み出る。それを筆に含ませ、京友禅などの下絵を描く。江戸時代には浮世絵の絵の具としても使われたという。

 この日使ったアオバナは、子どもたちが校内に植えて育ててきた。6月末から花びらを摘み、冷蔵庫で保存してきた。

 ボウルに花びらを入れてもみ、濃い青い色の汁が出てきたら布巾に入れて搾る。搾った汁を刷毛(はけ)に含ませ、4枚重ねた和紙に上からゆっくり押し当てて染みこませる――。作業の流れを中川さんが実演して見せた後、子どもたちが体験した。

 中川さんは「摘みたての花だったら(布巾から)すぐはがれるんだけどね」「青い色は毒じゃない。『薬花』と呼ばれ、昔は熱が出たら母親が汁を飲ませてくれた」「花びらが白っぽくなるまで、何度も搾って」と説明した。

 この日は、昨年に発足した「草津青花紙製造技術保存会」の森重文博さん(54)らも、中川さんのアシスタントとして参加した。中川さんは保存会のことに触れ、「技術を継いでくれる人が出てきてうれしい」と、笑顔で子どもたちに語りかけた。

 最後に、子どもたちは青い汁を染みこませた紙を花壇の近くに運び、天日干しにした。

 丸谷悠悟君は「白くなるまで搾るのは大変だった」。及川遼太朗君は、青花紙の作り手が少なくなっているとの話が印象深かったという。「きれいな青色だと思った。搾るのはおもしろかったけど、汁を塗るのが難しかった」と話した。(寺崎省子)

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 〈アオバナ〉 ツユクサ科で、和名は「オオボウシバナ」。6月下旬から8月下旬にかけて、3~4センチ大の青い花が咲く。朝に開花して昼ごろにしぼむという。草津市によると、大正から昭和初期の最盛期には、市内で約500戸の農家が副業で青花紙用に生産していた。近年は、国内では草津だけで生産。1981年1月、市の花になっている。