トロッコ列車の到着に合わせて駅前カフェ 奥出雲町

杉山匡史
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 島根県奥出雲町馬馳(まばせ)のJR木次線出雲八代駅前に週末、地元のママたちによる手作りカフェが登場する。観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」の到着時刻に合わせた1時間限定。心を込めた明るい接客と、ホームで乗客に手を振る温かいもてなしが、少しずつ評判を呼んでいる。

 7月31日の午前10時前、映画「砂の器」(1974年)のロケ地の一つとしても知られる駅のレトロな木造駅舎前に、のぼりを立てたテントが現れた。運営する女性らが通行人に気さくに声を掛け、コーヒーや和洋菓子、雑貨などを販売。開店と同時に訪れる地区内外の常連客もいるほどだ。

 「ふせcafe」は、5月1日から、飲食店での勤務経験もある、園児から中学生の子どもがいるママたちを中心に始めた。地元・布勢地区の魅力を地区内外の人に発信しようと、有志が4月に立ち上げた「活性化プロジェクト」(八沢〈やさわ〉豊幸代表ら7人)の活動の一環だ。

 初日のお客は1人だけだったが、少しずつ口コミで良さが広まった。7月22日からは「おろち号」の運行に合わせ、金~日曜・祝日の午前10時から、厚意で借りている駅前の民家前にテントを張る。

 1杯200縁(円)のコーヒーは毎回、原産地や味が違うものを楽しめる。菓子は地区の2店の協力で作ってもらうなどした品で、手作りのヘアバンドやマスクなどの雑貨は、消しゴムはんこで作ったオリジナルロゴマーク入りだ。

 子どもたちも設営や販売を手伝うほか、おろち号が到着、発車する午前10時40分台の1分ほどはホームで出迎え、車両が見えなくなるまで手を振って見送る。

 現在、カフェに携わるのは6人。おろち号は2023年度での運行終了をJR西日本が発表しているが、ともに発起人で、今も家族で木次線を利用する内田圭子さん(37)と、家族付き合いをしている石原菜美さん(43)は「私たちにもできることはある。地元のために良いと思うことを地道に、丁寧に取り組んでいきたい」と話す。

 8月の開店は6、9日、20~22日、27~28日。14日は午後6時から、近くの旧ガソリンスタンドで夜市を予定している。年内は11月の運行終了まで続ける。(杉山匡史)