アナザーノート 藤田直央編集委員
こんにちは。藤田直央です。終戦の日が近づく中、今回は対米戦争開戦時に首相だった陸軍大将・東条英機のひ孫、英利さん(48)に会ってきたことを書きます。
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きっかけは、6月に書いた「A級戦犯の遺骨、太平洋に」という記事です。東条ら7人が戦争を指導したA級戦犯として1948年に処刑されたその日、米軍がひそかに遺体を火葬し、遺骨を飛行機で「横浜の東約30マイルの太平洋上空」まで運んでまいた、と記した米公文書が見つかったという話です。
敗戦した日本は当時、米軍主体の連合国軍総司令部(GHQ)に占領されていました。元GHQ幹部の著書には「(戦争)指導者たちの墓が神聖視されないよう遺灰はまき散らすことになっていた」とありますが、詳しい様子はわかっていませんでした。
米軍による散骨の報告書は、日本大学の高澤弘明専任講師が米公文書館で発見しました。高澤さんを訪ねてコピーをいただき、それを手に英利さんに会いました。記事を書くときは相手の言い分を聞くのが記者の所作。今回の場合の相手は、本来は遺骨を受け取る立場にある遺族ではないかと考えました。