五輪運転手、仕事なくパイプいすで10時間 「無駄だ」

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片田貴也
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 50代のタクシー運転手の男性はこの夏、勤めている大手タクシー会社が請け負った五輪関係者の輸送を担った。だが、6日間勤務して、実際に客を乗せたのは3回だけ。詰め所では、ほかにも多くの運転手が待機していた。給料は支払われるものの、「経費の無駄では」と疑問が募る。

 「仕事が少なすぎて、やりがいが全くない」

 こう話す男性は、7月24~31日の間の計6日間、五輪関係の仕事をした。記念として五輪に関わりたいと会社に希望を出した。

 五輪では無償の大会ボランティアと、タクシー会社大手らが有償で輸送業務に就いている。男性の勤務は夜間で、午後10時~午前8時、選手村と空港などを移動する五輪関係者の輸送を担う役割だった。

 出勤していた選手村(東京都中央区)にある運転手の詰め所には、他の数社の運転手も含めて計80人ほどが常に待機し、密の状態が長く続いていたという。

 6日間の勤務で、客を乗せたのは3回だけ。大会ボランティアを自宅に送り届けたり、成田空港スイスの関係者を輸送したりした。

依頼は1日20件、運転手は80人

 なぜそんなに少ないのか。

 男性によると、そもそも依頼…

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