侍ジャパン、山本由伸に託す準決マウンド 成長ぶりはルーキーの教材

野球

井上翔太
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 東京オリンピック(五輪)野球の決勝トーナメントは4日夜、準決勝の1試合目が行われる。日本代表「侍ジャパン」(世界ランキング1位)は、韓国(同3位)と対戦。先発マウンドには、日本球界を代表する投手に成長した山本由伸が上がる。

 2016年秋のドラフト4位で、宮崎・都城高からオリックスに入団した山本は今や、プロ野球界に入った新人たちの「教材」として扱われている。

 20年1月。恒例の新人選手研修会で、侍ジャパン建山義紀投手コーチが、「先輩プロ野球選手からプロ野球の後輩へ」と題した講義を行った。

 質問の時間で、前年秋のヤクルトドラフト1位・奥川恭伸が手を挙げた。「緊張すると、ガチガチになって、力を出せなくなるときがあります」と相談した。

 この返答として、建山コーチが実例で挙げたのが、前年の国際大会「プレミア12」の決勝、韓国戦で躍動した山本の姿だった。

 山本は大会中、勝ちパターンの八回を担っていた。決勝戦。建山コーチは試合中盤、山本の様子がいつもと違うことに気づいた。「この時間は、ベンチ裏の部屋でストレッチをしているはずなのに……」。本人に尋ねると「やばいです。緊張してます。このままマウンドに上がったら、どうなるか分からない」。過呼吸気味で、表情もこわばっていた。

 ただ七回、建山コーチがブルペンを訪ねると、別人のような山本がいた。力強い球を捕手に投げ、「整ってます」と一言。「大事な場面を任される重大さを受け止め、開き直れる。これができるのは、生活のすべてを野球に注いで、準備ができているから」と新人たちに説いた。この試合で山本は、最速156キロを計測し、上位打線を三者凡退に抑えた。

 山本は先月28日の開幕戦から、中6日を経て2度目の登板となる。「失点しても最少失点で、試合が終わったとき勝っていればいい」と誓い、アジアの宿敵と2年ぶりに対峙(たいじ)する。井上翔太

主要国際大会での日本―韓国戦

【2000年シドニー五輪】

予選リーグ 日6●7韓

3位決定戦 日1●3韓

【06年第1回WBC】

1次リーグ 日2●3韓

2次リーグ 日1●2韓

準決勝 日6○0韓

【08年北京五輪

1次リーグ 日3●5韓

準決勝 日2●6韓

【09年第2回WBC】

1次ラウンド 日14○2韓、日0●1韓

2次ラウンド 日1●4韓、日6○2韓

決勝 日5○3韓

【15年第1回プレミア12】

1次ラウンド 日5○0韓

準決勝 日3●4韓

【19年第2回プレミア12】

2次ラウンド 日10○8韓

決勝 日5○3韓

(プロが参加した1999年以降。WBCはワールド・ベースボール・クラシック)