エネ基本計画、原発建て替えに余地 延命探る動きも

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新田哲史、川村剛志 長崎潤一郎
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関西電力美浜原発。40年超運転を実施した3号機(手前)と廃炉になった1号機、2号機(奥)。地元では原発の建て替え(リプレース)を求めている=2021年6月20日、福井県美浜町、朝日放送テレビヘリから、矢木隆晴撮影
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 新たなエネルギー基本計画案が4日、経済産業省の有識者会議でおおむね了承された。原発の建て替え(リプレース)や新増設は明記されなかった。次世代技術の研究開発を進め、将来の建て替えに余地を残すが、実現は見通せない。いまある原発の「延命」を探る動きも出ている。

 計画案では、次世代の原発を開発する企業への「積極的支援」が盛り込まれた。将来の建設を見据えたもので代表例が小型モジュール炉(SMR)だ。

 三菱重工業が、出力が従来の3分の1ほどの30万キロワット級のものを開発中だ。IHIは、米国の新興企業原子炉事業に参画する。日立製作所は米ゼネラル・エレクトリック(GE)と共同で取り組む。SMRは核燃料を冷やしやすく、非常時の安全性を高めやすいとされる。工場で組み立ててから設置することで、コストを抑えられるという。

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日立GEニュークリア・エナジーが開発中の小型モジュール炉のイメージ図=日立製作所提供

 冷却材にヘリウムガスを使う次世代の高温ガス炉も注目される。日本原子力研究開発機構は7月に茨城県の研究炉「HTTR」を約10年ぶりに運転再開した。

 東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間は原則40年となり、1回のみ最長20年延長できる。国内には建設中を含め原発は36基あるが、全て延長しても2050年には23基、60年には8基まで減る見込みだ。

 電力業界や原発推進派の自民党議員は、建て替えや新増設の見通しが立たないなか、運転期間制度の見直しを求める。停止している期間は原子炉などが劣化しないとして、運転期間から除外すべきだという主張だ。新たな計画案では「長期運転を進めていく上での諸課題について、官民それぞれの役割に応じ、検討する」とした。自民党議員からは「見直しは必要だと読める内容だ」との声が上がっている。(新田哲史、川村剛志)

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