韓国戦、オリックス・吉田正尚が適時打 国際大会での悔しい思い胸に

野球

佐藤祐生
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 東京オリンピック(五輪)野球の準決勝、日本―韓国の一戦で、吉田正尚オリックス)が貴重な追加点となる適時打を放った。

 1点をリードした五回だった。1死三塁、韓国の先発、高永表の4球目をきれいに中前へはじき返した。

 球威や投球の軌跡を巧みに変えてくる、軟投派・高の投球術にタイミングを外され、日本はそこまで、坂本勇人(巨人)の犠飛でしか得点できなかった。吉田のバットから快音が響いた瞬間、日本ベンチからは大きな歓声が上がった。

 「(先発した山本)由伸が頑張っていて、1点でも多く取りたかったので、良かったです」

 福井・敦賀気比高から青学大を経て2015年秋のドラフト1位でオリックスに入団した強打者。昨季は打率3割5分で初の首位打者に輝いた。

 今季も前半戦を終えて打率3割4分3厘はパ・リーグ首位を独走し、加えて55打点は3位、17本塁打は5位。三振数は367打席で19と脅威の少なさを誇る。

 好成績を残し続ける背景として、東京五輪の出場が一つの発奮材料になっていたという。「シーズンに集中して良い結果を出して、代表に選出して頂けるような活躍を、とモチベーションにしていました」

 28歳の左打者は、国際大会に悔しい思いを抱えていた。2年前、野球の国・地域別対抗戦「プレミア12」。チームは優勝を飾ったが、自身は出場5試合で打率は2割、本塁打はゼロという結果に終わった。

 「調整に後悔する部分があった。なかなか自分の思うような結果は出せなかった」と省みる。一方、「その場に立たないと分からない雰囲気や重みがあり、良い経験になった」。学びもあったようだ。

 東京五輪は雪辱の機会だった。

 稲葉篤紀監督は「球界を代表する選手になった。打率の高さに加えて、長打も打てる打撃に期待している」と吉田を選出した。吉田は「素直にうれしい気持ちと、選んでいただいた以上、金メダルに貢献したいという気持ちが強くなりました」と気を引き締めていた。

 「一個一個のプレーが、チームの勝利、流れに関わってくる。一球一球に集中して臨みたい。自分のベストスイングができれば本塁打になる。そのスイングが数多くできればいい」

 苦い経験を糧に、再び挑んだ大舞台で理想のスイングを世界に見せつけた。(佐藤祐生)