「ぐるんぱ」は26歳の私 すっくと立ち見つけた居場所

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聞き手・中井なつみ
写真・図版
「ぐるんぱのようちえん」(福音館書店)
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ジャングルの中でひとりぼっちだった大きな象の「ぐるんぱ」が、さまざまな仕事にチャレンジしながら、自分の居場所を見つけていく……。50年以上にわたって子どもたちに愛されてきた「ぐるんぱのようちえん」は、作家になることが夢だったという西内ミナミさんのデビュー作です。「ぐるんぱは、私の姿そのもの」と語る西内さんに、当時の思いを聞きました。

ぐるんぱのようちえん(福音館書店、1966年、累計240万部)

ジャングルにすむひとりぼっちの大きなぞう、「ぐるんぱ」。ジャングルを出発し、さまざまな仕事場で一生懸命に働きますが、作るものが大きすぎていつも失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会い、お世話を頼まれます。そしてぐるんぱが作った大きなあるものとは……。

コピーライターから、夢だった作家に

 ぐるんぱを書いた26歳のとき、私はコピーライターでした。女性が働きにくい時代でしたが、結婚後も大手代理店の制作部にフルタイムで勤め、長男を出産する直前になって、自宅近くに職場を見つけて転職したばかり。義母(はは)が子どもをみてくれるというので、午後の時間だけ、職場に出かける生活を送っていたんです。

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にしうち・みなみ 1938年、京都府生まれ。東京女子大卒業後、大手広告会社などでコピーライターとして働きながら、初めての絵本となる「ぐるんぱのようちえん」を執筆。1970年からはフリーとなって児童書の創作に専念し、主な作品に「ゆうちゃんとめんどくさいサイ」「おもいついたらそのときに!」など多数。長年、地域の図書館普及や子どもの読書推進運動にも尽力している=門間新弥撮影

 職場には、「anan」のロゴデザインのほか、時代の先駆けとなる数々の雑誌の創刊を手がけられた、堀内誠一さんがいました。堀内さんは、当時すでに絵本作家でもあり、福音館書店の「こどものとも」を何冊か出されていました。

 堀内さんはシャイな方で、あ…

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