メキシコ、米銃メーカー11社提訴「多くの事件で使用」

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サンパウロ=岡田玄
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 メキシコ政府は4日、違法な武器取引を助長する不正な商行為を行っているとして、米国の銃器製造会社11社を米マサチューセッツ州ボストンの連邦裁判所に提訴した、と発表した。メキシコでは年間3万5千人以上が殺されている。政府は多くの事件で米国製の銃が使われているとし、銃器メーカーが「自社の銃が不正な活動に利用されていることを認識している」と主張している。

 メキシコ外務省の発表や現地報道によると、被告はスミス・アンド・ウェッソン社やベレッタ社、コルト社など有名メーカーを含む11社。違法な銃器による殺人などの事件だけでなく、政府が犯罪組織対策に費やす公的なコストや、観光などの産業に与えている損失も含めた損害を賠償するよう求めた。メキシコ政府の試算では、賠償の対象となる額は同国の国内総生産の約2%に相当する規模だという。

 前例のない訴訟に踏み切った背景には、最悪の治安状況がある。メキシコ政府の発表によると、2020年の殺人件数は3万5千人を超え、過去最悪を記録した19年と同水準だった。毎日100人近くが殺害されている計算になる。

 麻薬の一大消費地の米国に隣接するメキシコでは、麻薬密売を取り仕切るカルテルが、政界や治安組織にも浸透している。組織間の抗争や治安部隊との銃撃戦で市民も巻き添えになっており、治安対策が長年の課題だ。

 米国はメキシコ政府に対して…

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