嚥下障害、奮闘する妻と娘 また3人で食卓を囲むぞ

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編集委員・中島隆
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口から食べるぞ、いつまでも(上)

 大阪の守口市で暮らす江端重夫(82)は、ときどき台所に立つ。そして、たとえば大好物のオムレツをつくる。

 まず、ふつうにつくって、ミキサーにかけて細かくする。そこにスプーン1杯の、とある粉末を加える。1分ほどミキサーを回して、できあがったものを型に入れると、だんだん固まってくる。それをオムレツの形に整えていく。

 ぷるるんとしたオムレツの完成だ。ふつうのオムレツと比べると見た目はほぼ同じ、味はまったく同じである。

 重夫は、それをペロッとたいらげる。のどをスルッと通って胃の中へ。

 そんな姿を、かたわらで妻の真澄(79)と娘の左恵子(54)が見ている。笑顔のふたりは口をそろえる。

 「たいへんだった日々を思い出します。あきらめなくて良かった」

    ◇

とろみ粉末、わらにもすがる思いで

 重夫は1989年、喉頭(こ…

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