誰の、何のための五輪か 発祥の地、オリンピアで考えた

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オリンピア=疋田多揚
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 五輪はそもそも誰のもので、誰のために開かれるのだろうか。開会中の東京大会を通じて深く考えさせられた。

 その起源へさかのぼろうと、五輪発祥の地、ギリシャのオリンピア遺跡を訪ねた。

 首都アテネからバスで5時間余り。ペロポネソス半島の西側へ回り、そこからさらに緩い丘陵を上っていくと、人口1万3千人あまりのオリンピア市についた。

 ここで古代五輪が初めて開かれたのは、紀元前776年。参加資格はギリシャ語を話す男性市民。それぞれの都市国家(ポリス)から、開催日の1カ月前までに集まった。

 遺跡の入り口には、装飾を施した当時の円柱が2列、空港の誘導灯のように規則正しく立ち並ぶ。短距離走の練習場だったという。

 奥には格闘技の練習場や神官たちの控室、招待者の宿泊所の跡が広がる。そこら中におびただしい巨大円柱が転がり、当時の人々がこの場所に捧げた情熱を伝えている。

出場者に試された倫理観

 遺跡の中心に配されているのがゼウス神殿だ。

 「古代五輪は宗教であり、文化であり、政治でした」。地元の考古学者、アンドノプロスさん(49)がそう話した。

 神殿の周りには大会役員の評…

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