貫く遊び心、母「猿みたいでした」 スポーツクライミング・楢崎智亜

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 自分の名前を冠した技がある。「トモア・スキップ」。楢崎智亜が笑う。「なんか、遊んでいたらできちゃって」

 スポーツクライミングの中でも、15メートルの壁をどれだけ速く登れるかを競う「スピード」。壁の序盤にあるホールドをいくつか飛ばして登るこの技は、25歳の魅力「遊び心」の象徴でもある。

 スピード壁に取り付けられているホールドは31個。配置は統一されていて、世界中どの大会でも仕様は全く同じだ。長い歴史の中で登り方は洗練され、すでにいくつかのパターンに落とし込まれている。

 ここに新風を吹き込んだのが、楢崎だった。

 「遊びながら登っていただけなんです。それで、『ここからここに一気に行けたら、面白くない?』って感じで」。2018年の大会でトモア・スキップを披露すると、瞬く間に世界中に広まった。「新しい登り方の余地がまだあったなんて、思ってもいなかった」とはスピード専門選手の一人。遊びから生まれた技は今、トップ選手たちのスタンダードになった。

 振り返れば、「遊び心」がい…

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