関東地方に住む40代女性は、学生時代に研究室でいじめを受けたときの記憶が、今でもはっきりとよみがえる。
私立大学を卒業後、国立の大学院の研究室に入った。その研究室はそれまで教員も学生も女性がいたことはなく、自分が歴代初の女性研究者だった。
もともと女性が少ない研究分野だ。女性が1人という環境にそれほど不安はなく、むしろみんなが話しやすいようにと意識して明るく振る舞おうと思っていた。
それなのに、周囲は「女性にどう接したらいいのかわからない」という雰囲気で、なかなかなじめなかった。
女性の側も戸惑いを覚えた。大学時代は先輩と後輩が組んで研究をするスタイルだったのが、その研究室は「研究は1人でやりきる」というスタンスだった。
当時40代の男性教授は、その分野では有名な研究者。大学時代に研究室を訪ねたときは、とても話しやすい人だと感じていた。が、それは誤りだったとすぐに気づいた。
教授は隣の部屋にいるにもかかわらず、指示のほとんどをメールで出す。毎日10通ほどの全員メールを送り、直接学生を指導することはほとんどない。
新しい研究室で人間関係もまだ築けていない中、何から手を着けていいのかすらわからなかった。ほかの大学で助教をしている卒業生がたまに来て、研究を手伝ってくれることはあったが、手探りで過去の論文を読んだり、研究室の勉強会に参加したりしていた。
教授がメールで次々と押しつける「理想」に、女性は追い詰められていきます。やがて、教授以外の研究室のメンバーからも理不尽な仕打ちを受けるように。最後に女性が選んだ道は。
2カ月くらい経った頃、教授…
- 【提案】
このシリーズ読んでいて辛すぎます。特に本回はタイトルに「おねしょ」を入れる必要があったか疑問。 それから、特に相手が名の通った教授等、権力性のある人物なのであれば、こういう酷い話は、エピソードとして回収するのではなく、朝日新聞は大学名
- 【視点】
この女性の場合は、就職や結婚といった経験を経て、過去の理不尽なできごとを冷静な目で振り返っているようですが、同じような経験をして、挫折から立ち直れないままの人も多いのでは、と思います。 女性が訴えた後にメールが来なくなったということは