楽天、低コスト通信技術を独社に提供 収益改善狙う

杉山歩
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 楽天グループは4日夜、低コストで通信ネットワークを構築する自社技術を、ドイツ通信会社に提供すると発表した。受注額は明らかにしていないが、国内の携帯電話事業が競合他社の値下げなどで苦戦しているだけに、通信技術の海外展開で収益を改善したい考えだ。

 提供するのは、携帯電話の基地局の機能の一部をソフトウェアに置き換える「完全仮想化クラウドモバイルネットワーク」と呼ぶ技術。基地局の規模を小さくできて建設費用を大幅に減らせるうえ、改修や更新もソフトのアップデートで済み、コストが抑えられるという。

 同社が展開する「楽天モバイル」の通信網でも使われているが、今回はドイツで携帯電話事業などを手がける通信企業「1&1」に技術提供する。この技術を含めた5Gネットワークの構築などで長期的な提携をすることで合意したという。

 三木谷浩史会長兼社長は5日の記者会見で、「(技術の海外展開は)小規模にとどめるつもりはない。大きなマーケットシェアを狙っていきたい」などと自信を見せ、国内の競合他社に提供することにも意欲を示した。

 仮想化技術にかかわる米子会社の株式をすべて取得して完全子会社にすることも発表した。新たに立ち上げる事業組織「楽天シンフォニー」に通信事業者向けのサービス提供や研究開発を集約し、世界規模の事業展開をめざすとしている。(杉山歩)