第4回アカハラ「理系のひどさは圧倒的」 上野千鶴子さんが語るリケジョ

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聞き手=杉浦奈実
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 「アカデミック・ハラスメント」という言葉を日本で初めて定義した社会学者の上野千鶴子さんは、研究者の中でも、とくに理系の女性研究者はハラスメント被害に遭いやすいと指摘する。なぜなのか。

 ――連載「リケジョがなくなる日・ハラスメント編」では、上司や同僚から理不尽な嫌がらせを受けた女性研究者たちの姿を描きました。

 どんなことも実態調査をやらないと、事実はわかりません。東京大学に赴任した後、「東京大学女性研究者が経験した性差別」という初の学内アンケートを実施しました。データを見て驚いたのは、文系に比べて理系のひどさ。圧倒的な差があります。

 ――どういった違いが?

 文系は個人プレーができますが、理系は共同研究に加わらないと研究成果が上げにくい。でも、研究チームはほとんどが男性ばかりのホモソーシャルな集団ですから、女性に対する排除と抑圧があります。

 女性は圧倒的に少数派です。だから、まずそのチームに入れてもらえない。入っても足手まといという扱いを受ける。ありとあらゆる嫌がらせを受けます。深夜まで研究室にいたら、後ろから抱きつかれるとか、スカートを引きずり下ろされるとか、びっくりするような話を聞きました。

 ――そんな古典的な嫌がらせを?

 同僚からも、上司からも、粗野と言っていいほどのセクハラがあります。どの職場にもあるセクハラに加えて、さらにアカデミアに固有のハラスメントがあります。ですから「アカデミック・ハラスメント」という言葉を造語したのです。

 ――どういうことでしょう。

インタビューで上野さんは、大学がアカハラを誘発しやすい組織だと指摘したうえで、実際に起きた話を紹介しています。「たかがセクハラ」。加害者を守ったのは男性の同僚たちでした。

「ハラスメント受けた」を言えないのは

 たとえば研究費の配分にジェ…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2021年9月5日12時6分 投稿
    【視点】

    これを「女性」の話、とみなすべきではないと思う。閉鎖的で権力が偏った社会の問題だ。男性もいつ「被害者」になるかわからない。 上野さんは、「理系女子のサバイバル術は、(1)チームでなく個人でできる研究テーマを選ぶ、(2)ボスのいない先端

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    田中俊之
    (社会学・男性学研究者)
    2021年9月5日8時33分 投稿
    【視点】

    「リケジョがいなくなる日・ハラスメント編」は、毎回、朝日新聞デジタルのトップに掲載されていました。多くの女性読者の関心をひいたと思われますが、一方で、どれだけの男性読者が目を通したのでしょうか。男性は上野千鶴子さんのインタビュー記事をしっか