文化の行事 気軽に楽しんでこそ(笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考)

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藤村忠寿(HTB「水曜どうでしょう」チーフディレクター)

 10年ほど前の夏、イギリスのエディンバラで開催される世界最大規模の演劇祭を訪れたことがあります。イギリスといえばシェークスピア、演劇の本場、そんなイメージもあってちょっとかしこまっていたんですけど、行ってみたらそれは大間違い。「演劇祭」というよりも「学校祭」に近い明るくにぎやかな雰囲気でした。

 ちゃんとした劇場だけでなく、それこそ学校の教室もレストランも屋外に立てたテントの中も、スペースがあればそこが会場となり、出し物も演劇だけじゃなく、ふざけたコメディーショーから民族舞踊まで幅広い。「アラビアンナイト」と題された演目を見たら出演者は高校生でセリフは棒読み、それはまさに学校祭の余興レベルでありました。そうかと思えば、世界的に有名なパフォーマンスを格安で見ることもできる。演目は数千を数え、会期は8月の3週間ほど。その間、エディンバラの歴史的な街並みは世界中からやって来た観客で一日中活気に満ちあふれている。「ずっとここに身を置いていたい!」。そう思いました。「文化の力」を肌で感じたのでありました。

 ところが、この演劇祭の成り立ちを聞いてみると、そこには意外な事実がありました。

 時は第2次世界大戦が終わっ…

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