米、台湾に自走砲 バイデン政権初の武器売却に中国反発

台北=石田耕一郎
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 バイデン米政権は4日、台湾に対し、BAEシステムズ社製の自走砲40両など、計約7億5千万ドル(約820億円)分の武器売却を決め、発表した。米国防総省は、台湾が、米国などの部隊との相互運用能力を高めるとしている。今年1月にバイデン政権が発足した後、台湾への武器売却は初めてで、中国政府は反発している。

 台湾の総統府は5日、「米国が、台湾の防衛能力を重視している表れだ。台湾が、台湾海峡の平和と地域の安全を維持する能力を高めるのに役立つ」との声明を出した。

 中国外務省は5日、報道官の声明を発表し、「『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを発し、中米関係と台湾海峡の平和を深く損なう」として、すでに米側に厳正な申し入れを行ったと明らかにした。さらに米国に決定の撤回を求め、「情勢に応じて正当かつ必要な対抗措置をとる」と予告した。

 国防総省の発表や同社の公式サイトによると、自走砲の射程は約30キロ。米国はこれまで、サウジアラビアなどにも同種の武器を売却してきた。

 トランプ前米政権は過去4年間で台湾に、F16V戦闘機など計11回(総額約180億ドル)にわたり武器を売却。中国政府は台湾を自国の一部と主張しており、米メーカーに制裁を科すなど対抗措置を取っている。(台北=石田耕一郎)