9日に長崎平和式典 92歳被爆者代表「残された務め」

長崎原爆の日

米田悠一郎
【動画】「長崎原爆の日」被爆者代表・岡信子さん 語られることがなかった76年=米田悠一郎、榎本瑞希撮影
[PR]

 被爆から76年となる「長崎原爆の日」の8月9日、長崎市で平和祈念式典が開かれる。7万人を超える犠牲者に花や水を供えて追悼し、長崎市長の「平和宣言」に続き、被爆者代表として岡信子さん(92)が「平和への誓い」を読み上げる。岡さんはこれまでで最高齢の被爆者代表だ。

 被爆時に16歳の看護学生だった岡さんは、腕や足にガラスが突き刺さるけがをしながら、重傷者であふれかえった臨時救護所で働いた。傷にわいたウジを手でとり、遺体を戸板に乗せて運び出した。工場にいた父は行方不明になり、救護の合間に焼け野原を捜し回った。

 終戦後は被爆者への偏見にさらされ、「原爆は思い出したくもない。話してもわかってもらえるはずがない」と思った。15年ほど前に亡くなった夫、今は離れて暮らす2人の子どもにも話さなかった。

 当時のことを語るようになったのは、被爆から70年以上経ったここ数年のことだ。「残された者の務め」「人生最後の門出」と話し、式典に臨む。(米田悠一郎)