モーリシャス沖の油流出1年 残る船体、撤去めど立たず

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ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 インド洋の島国モーリシャス沖で大型貨物船が座礁し、油が流出し始めてから8月6日で1年になる。沿岸部のマングローブ林などの油の除去は今年1月に終わったものの、今春をめどに解体予定だった船体後部は天候不順のため作業が中断しており、完了のめどはいまだ立っていない。

 長鋪(ながしき)汽船(岡山県)の子会社が所有する貨物船「WAKASHIO」(全長約300メートル)が同国南東部の海岸から約2キロの浅瀬で座礁したのは昨年7月25日だった。座礁時にサンゴ礁が破壊されたほか、8月6日になって燃料油約1千トンが流出。油は約30キロにわたって海岸線に漂着し、マングローブ林などを汚染した。一帯では今年3月まで半年以上にわたって漁業ができなくなるなど、現地の人々の生活にも影響が出た。

 船体は座礁後に真っ二つに割れた。前部は昨年8月中に沖合に曳航(えいこう)されて深海に沈められたが、残る後部の撤去が問題になっていた。長鋪汽船は中国企業と契約し、昨年12月に解体を始める予定だったが、実際に始まったのは今年2月。3月中旬以降は悪天候により作業ができていない。天候が安定する9月下旬の再開を見込んでいるが、完了時期は未定だという。

 長鋪汽船などによると、船長らは携帯電話の電波の届く範囲に入ろうと浅瀬に近づいて座礁。正確な沿岸からの距離や水深が把握できない縮尺の海図を利用していたことや、レーダーや目視での見張りを怠っていたことが指摘されている。モーリシャス当局はインド人船長ら2人を航海の安全を脅かした容疑などで逮捕。現在も裁判が続いている。同社は今月2日の報道発表で「事故原因究明、環境保護そして船骸撤去に全力を尽くします」とした。

 日本政府は昨年8月10日か…

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