女性選手の報じ方は「おじさん向け」 変えていくために

有料会員記事

牛尾梓
[PR]

 「多様性と調和」をテーマに掲げる今回の東京五輪。組織委員会の会長だった森喜朗氏が女性蔑視発言で辞任したのを機に、組織委には「ジェンダー平等推進チーム」ができた。国連児童基金の教育専門官(休職中)で、チームのアドバイザーに就いた井本直歩子さんは、日本のスポーツを巡る報道の多くが性別によって偏りがあり、「女性アスリートが純粋に選手として報じられないことが多い。ステレオタイプを壊していきたい」と会見で発信した。その思いを聞いた。

 ――今回、「ステレオタイプを壊していきたい」と発言されたのはなぜでしょう。

 オリンピック以外の日本の女性アスリートの報道は、ルッキズムの傾向が多分に含まれていると思います。メディアの種類によりますが、容姿や私生活についての話題が多い。注目してもらうことももちろん必要なのですが、アスリートとして何がすばらしいのか、競技性のところが、伝わってこないことが多い。特に男性と比べると、フェアではないと感じます。女性アスリートの競技性にもっと焦点を当て、ありのままの姿を見せることで、私たちの中にはびこる「女らしさ」というジェンダーステレオタイプを崩せる部分は多分にあると思うんです。

 ――「男性選手と比べてフェアではない」とどのような部分で思いますか。

 男性選手には聞かないのに、女性には聞く質問があります。子持ちの男性アスリートには子どもの話は聞かないのに、「ママアスリート」にはその質問がいつもついて回る。

 また、例えばプロゴルファーの松山英樹選手と渋野日向子選手を比べてみると、松山選手にはプライベートな質問はしませんよね。でも渋野選手の場合はスマイルとかお菓子の報道が多い。ジェンダーバイアスがかかっていると思います。ゴルフは男性のファンが多く、男性の記者が男性に向けて書いていて、「おじさん向け」になっているのかなと。

 ――男性向けのスポーツ報道は、日本特有でしょうか。

 プライベートなことを大きく…

この記事は有料会員記事です。残り1904文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
Think Gender

Think Gender

男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]