被災地の道の駅に無印良品 売れ筋が映す復興途上の姿

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滝口信之
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 震災と原発事故で大きな被害を受けた福島県浪江町の道の駅に無印良品がオープンして、4カ月が過ぎた。一部では避難指示が続き、住民の帰還が思い通りに進まない中、店の売れ筋からは復興途上のいまの町の姿が垣間見える。

 東京電力福島第一原発から北西に約9キロ。除染や復興関係のトラックが行き交う国道沿いの「道の駅なみえ」に無印良品が3月20日、オープンした。50坪ほどの店内には人気のレトルトカレーなどの飲食品や衣料品、文房具など約400点が並ぶ。無印の他の店舗よりも手狭なため、家具や家電は取り寄せで対応する。

 無印良品を展開する良品計画(本社・東京)の社員で、隣の南相馬市出身の店員佐々木陽子さん(39)は「売り上げは予想以上です」と驚く。原発事故により町の全域に避難指示が出たが、2017年に中心部では解除された。ただ、町に住む人は約1600人(6月末時点)と、震災前の1割に満たない。

 町に戻る若い世代は少なく、当初は高齢者の客が多いと考えていた。しかし、実際に開店してみると、30、40代の子育て世代の客が多かった。佐々木さんは「子育て世代と、おじいちゃん、おばあちゃんの家族3世代での来店もある。周辺自治体からだけでなく、浪江町から避難している人が無印ができたから来たとの声があった」と話す。

 事前に要望が多かった衣料品や文房具が売れ筋の一方で、バナナや塩チョコ、紅茶など23種類の味があるバウムクーヘン(1個、税込み150円)が人気で、開店当初は売り切れが続いたという。焼き上げる際に形が崩れてしまう両端の部分や、焼きムラなどで規格外になっていた部分を商品化したもので、まとめ買いが多いという。

 町産業振興課の大柿光史さん(32)は「以前なら地元の和菓子屋やケーキ屋があったが、再開していないので、手土産代わりに使っているのではないか」と話す。

 ぬか床(1袋税込み890円)も予想外に売れる。大柿さんは「町ではお茶を飲むときにも漬けものを食べる人が多いからでは」と話せば、佐々木さんは「開店当初よりもGW前後によく売れたので、口コミで広がったのではないか」と推測する。ぬか床売り場には、「産直では、新鮮でおいしい旬のお野菜を販売しております」「地元の野菜でぬかどこ始めてみませんか」と書いたポップを置き、道の駅での野菜の購入を勧め、相乗効果も狙う。

 ほかにも、男性は下着、女性は化粧品を買い求める人が多いという。大柿さんは「復興事業に携わる人が衣服を買い求めに来ている。また、食料品などの生活必需品から化粧品やお菓子などの嗜好品を求める傾向に変化している」とも話す。

 浪江町への出店は、昨春に町…

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