ひたちなか海浜鉄道湊線で気動車ツアー

林瞬
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 【茨城】ひたちなか海浜鉄道湊線に設置された「ひたちなか開運鉄道神社」(本殿・阿字ケ浦駅)で、国内でも貴重な現役の気動車「キハ205」に乗って湊線を巡るツアーが7月31日、催された。集まった鉄道ファンたちは、カメラを片手に、昔懐かしい車両を見つめていた。

 「ひたちなか開運鉄道神社」は、沿線の町おこしの一環で今年6月に建立された。阿字ケ浦駅には引退した貴重な気動車「キハ222」が神体としてまつられている。神社の建立とツアーを企画した三鉄ものがたり実行委員会の佐藤久彰代表(52)は「線路が参道、沿線の町が仲見世通りになる世界初の神社」と胸を張る。

 「キハ205」は、国鉄時代から今に至るまで現役で走っている長老列車。ひたちなか海浜鉄道によると、「キハ205」を含むディーゼル車「キハ20系」を実際に使っているのは、国内で湊線だけだという。同鉄道は、他の車両の故障時などの「予備列車」として使っている。

 この日午前11時ごろ、那珂湊駅に止まったオレンジとベージュ色の「キハ205」がエンジンをかけると、ホームに集まった鉄道ファンたちは一斉にカメラで撮影し始めた。駅のホームに設置されたレールでつくった「鳥居」に参拝した後、一行は列車に乗り込み、阿字ケ浦駅へ。車内では、子どもたちが車内放送をする「一日車掌体験」が行われ、それぞれが写真を撮ったり、鉄道への思いを語ったりしていた。

 阿字ケ浦駅では、ご神体として祭られている車両「キハ222」に参拝。その後、折り返して那珂湊駅に帰った。愛知県岡崎市から駆けつけた小林一茂さん(40)は、「車両によってエンジン音が全然違う。キハ205が現役で走っているのもここくらい。みんなでわいわい話せるのも楽しい」と笑顔で話した。

 今回のツアーは、昨秋に神社建立の資金集めをしたクラウドファンディングの返礼品も兼ねた。同鉄道の吉田千秋社長は「車両は古くてお守り(整備)が大変ですが、それ以上に喜んでもらえている」と目を細めた。佐藤代表は、「今日がスタートの日。これからいろんなイベントをやって、鉄道沿線を盛り上げていきたい」と語った。(林瞬)