空手金メダルのスペイン代表 日本武道館で見せた美しい礼節と夫婦愛

空手

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 東京オリンピック(五輪)で初採用された空手が5日、日本武道館で始まった。この競技で最初の金メダリストになったのは、女子形のスペイン代表、サンドラ・サンチェスだ。

 決勝でライバルの清水希容(日本)を破ったサンチェスは優勝を決めた直後、清水側のコーチボックスに駆け寄り、きれいな姿勢で座礼をした。畳を降りる際もきびきびとした動きで一礼。美しい礼節だった。

 4歳の時、漫画「ドラゴンボール」の孫悟空に憧れた。「習ってみたい」と両親に泣いてせがんだ空手で世界一に。「日本武道館感動的なシーンを迎えることができた。すごく幸せ。信じられない」。そう言って両手で顔を覆った。

 遅咲きの39歳。12歳下の清水になかなか勝てなかった。「清水さんに負けるたびに、なぜ負けたのか、審判が何を求めているのか考えた。情熱なのか、パワーなのか……。少しずつ自分を向上させるしかなかった」。清水の背中を追い、清水の演武を手本にした。

 「いつか君は世界チャンピオンになれる」と言ってサンチェスを支えたのは、コーチを務める夫のヘススさんだ。「練習の時は彼がボス。練習後は私がボス」と全幅の信頼を寄せる。1日7時間の過酷な練習を積み、二人三脚で理想の「形」を追求してきた。

 この日は、偶然にも5度目の結婚記念日だった。コーチボックスから励まし続けた夫との抱擁で余韻に浸ったのもつかぬ間、サンチェスの視線は先を向く。「次の世界選手権に向けて準備しないと」とパワフルに語った。