「同じ境遇の人の力に」 ベラルーシ選手、亡命先で会見

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モスクワ=石橋亮介
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 東京五輪陸上女子のベラルーシ代表で、政権による弾圧を恐れて本国への帰国を拒否したクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が現地時間の4日夜、亡命先のポーランドに到着した。5日、現地で記者会見し、日本やポーランド政府に感謝を表明するとともに、改めて今後も競技を続ける考えを表明した。

 ツィマノウスカヤ選手は日本時間の4日午前、成田空港からオーストリア航空機で日本を出国した。ウィーンで乗り換え、ワルシャワの空港に到着した。

 会見には、ルカシェンコ政権と対立し、ポーランドで反政権活動を続けるベラルーシのラトゥシコ元文科相が同席した。緊張した表情で会見場に現れたツィマノウスカヤ選手は、「純粋なスポーツ上の問題が政治問題になり驚いている。政治亡命をするつもりは無かった」と強調した。ベラルーシの祖母から電話で「帰国してはいけない」と言われたことで身の危険を確信したとし、「(ベラルーシに残っている)両親らに害が及ばないよう願う」と話した。

 今後については、近く合流す…

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2021年8月6日10時43分 投稿
    【視点】

    「政治亡命するつもりはなかった」という言葉は、おそらく本心なのでしょう。選手の起用法に端を発する指導部とのトラブルが、いつのまにか国家への反逆として扱われ、家族から「帰国してはいけない」という連絡が入ってくる。今のベラルーシの異常な状況が浮