松商学園に「さや姉」あり 公認の追っかけ、球児を撮影

高億翔
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 【長野】夏の甲子園大会に出場する松商学園硬式野球部の活躍を、ずっと写真に撮っている同校出身の女性がいる。塩尻市の上條紗也香さん(23)は、部員の誰もが知る、さながら「専属写真家」だ。

 「“さや姉(ねえ)”って知ってますか?」。取材をしていた今月1日、部員の1人から尋ねられた。部員が行きつけにしている学校近くの食料品店「佐藤商店」に行くと、店の前に“さや姉”がいた。一人ずつと気さくにあいさつを交わし、練習の疲れをねぎらっていた。

 松商学園の試合がある日は、公式戦でも練習試合でもグラウンドに行き、選手のプレーに望遠レンズを向けている。「本体と合わせて、バイトで10万円以上ためて買いました」。今夏の長野大会も当然、松商の全試合を球場で見た。

 幼い頃から両親が好きだったプロ野球をみていたが、松商に入って「高校野球推し」に。教室でみている同級生らが、「野球になるとみんな別人のような表情になる」。そこがかっこよかったそうだ。

 卒業後、自前のカメラを携えて撮影を続けていると、後輩にあたる部員とも顔なじみに。うまく撮れた写真はプレゼントしている。実は周りからの見られ方も気になって、やめようと思ったこともあったが、「やめないで」と言ってくれたのが今の3年生。長野大会の前には「やめないでくれて良かった」「甲子園に連れて行く」「日本一かっこよく撮れるのはさや姉」などと書かれた色紙もくれた。涙が出た。

 「今はできるだけ長く、3年生たちの野球を見ていたい」。そう願っている。(高億翔)