「広島原爆の日」核禁条約発効後は初 投下から76年

核といのちを考える

比嘉展玖
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 広島への原爆投下から76年となる6日、広島市中区平和記念公園で平和記念式典が開かれた。あらゆる核兵器の開発や実験、使用などを禁じる初めての国際条約「核兵器禁止条約」が1月に発効して初めて迎える「原爆の日」。参列者たちは、原爆投下時刻の午前8時15分に黙禱(もくとう)を捧げた。

 松井一実市長は平和宣言で、一刻も早く条約に参加するよう日本政府に求めた。被爆から3年後に広島を訪れたヘレン・ケラー氏の「一人でできることは多くないが、皆一緒にやれば多くのことを成し遂げられる」との言葉を引用。市民の力の結集が政策転換を促し、核兵器のない世界への歩みを確実にすると呼びかけた。

 原爆投下後の「黒い雨」をめぐっては、原告全員を被爆者と認めた広島高裁判決が7月に確定したことを受け、原告ではない黒い雨被害者も早急に救済するよう政府に強く求めた。

 菅義偉首相は昨年の就任以来、初めての参列となった。あいさつでは、核軍縮を進めるために様々な立場の国の「橋渡し」をすると述べる一方、条約には触れなかった。黒い雨被害については7月27日に出した談話と同様、「同じような事情」の人たちの早急な救済を検討する考えを示した。

 被爆者の高齢化は進み、平均年齢は84歳に近づいている。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、席数は昨年に続いて例年の1割以下にあたる880席に制限された。(比嘉展玖)

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