コメ先物廃止「得する農協、納税者は負担続く」 専門家

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聞き手・筒井竜平
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 大阪堂島商品取引所が国内で唯一扱ってきたコメ先物取引の「本上場」申請を農林水産省が認めなかったことを受け、コメ先物は上場廃止になり、売買ができなくなる。元農水官僚の山下一仁・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は「得をするのは農協で、納税者の負担が続く」と指摘する。どういうことなのか。

 ――先物取引はどのような役割を果たすものですか。

 「生産者にとっては保険のようなものだ。将来のある時点で、あらかじめ決められた価格で売る先物契約をしておけば、豊作でコメの価格が下がっても損害を受けない。価格変動のリスクを回避できて『豊作貧乏』を避けられる。そのリスクを引き受けるのは投機家だ」

 ――生産者の利用は広がっていません。どうしてでしょうか。

 「農協がコメの価格を調整している上、生産者の減収を補てんするために、国による手厚い保険的制度があるからだ。これがある限り、多くの生産者は、価格変動リスクを回避する先物取引の必要性を感じない。ただ、この制度には税金が使われており、先物取引で投機家が引き受けるはずのリスクを納税者が負わされている。先物取引がなくなることで、この負担が続くことになる」

 ――農協はなぜ、先物取引に否定的な立場なのでしょうか。

 「コメの価格決定権がそがれ…

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