「冷静に、燃え上がる走りを」 吹っ切れた桐生祥秀、リレーに全集中

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堀川貴弘
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 桐生祥秀がトラックに戻ってきた。5日に予選が行われた東京オリンピック(五輪)陸上男子400メートルリレーで日本の3走を走り、予選突破に貢献した。6日の決勝で、日本は2大会連続のメダル獲得を目指す。

 桐生は、東京五輪代表選考会を兼ねた6月の日本選手権男子100メートルで5位に終わり、個人種目での五輪出場を逃した。

 右アキレス腱(けん)を痛めていたが、潔かった。レース後にけがの具合を聞かれてこう答えた。

 「今、足の痛みのことを答えると、足の痛みのせいでこういう順位になったということになる。今は足の状態のことはお答えしないということで、大丈夫でしょうか」

 2週間後、桐生の姿は山梨県富士吉田市の富士北麓(ほくろく)公園陸上競技場にあった。東京五輪に向けた男子短距離陣の合宿だった。桐生は100メートルの代表を逃したが、400メートルリレーのメンバーに入った。日本は、北京、リオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得した同種目で、今回は初の金メダル獲得を目指している。

 桐生は2016年リオ五輪、17年ロンドン世界選手権、19年ドーハ世界選手権の男子400メートルリレーで3走を務めた。いずれの大会もメダルを獲得したが、この3大会すべてに出場しているのは桐生だけだ。

 合宿中、芝生の上を軽く走った後、桐生は言った。

 「右足には何の違和感もなかった。あとは走りの感覚を取り戻すだけ。五輪ではベストパフォーマンスを出せる」

 個人種目で代表を取れなかったことは「完全に吹っ切れている」と言い切った。それには、リレーのためという思いもある。「リレーは雰囲気が大事。ここで引きずったらチームの雰囲気が悪くなる」。リレーをよく知る桐生ならではの切り替えだった。

 合宿冒頭の記念撮影では、ヘアバンドをして現れた。普段見慣れない姿に、他の選手たちから笑顔がこぼれた。これも、雰囲気を大切にする桐生なりの心遣いに見えた。

母校での猛練習「ぶっ倒れるまでやるのが桐生」

 桐生はここ数年、シーズン前…

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