努力する天才。
レスリング男子フリースタイル65キロ級の乙黒拓斗を知る人は、そう口をそろえる。
「勝つ、負けるじゃなく、(力を)出すか、出さないか」
乙黒拓は練習量に裏打ちされた自信を胸に7日、東京オリンピック(五輪)のマットで頂点を狙う。
2018年世界選手権を19歳10カ月で制した。日本男子の最年少優勝記録を44年ぶりに塗り替えた。超攻撃的なスタイルで、まばたきすら許さないスピードが魅力の22歳だ。
運動神経抜群は天性と評されがちだが、小さい頃から「練習の虫」だった。
山梨県出身。公務員でレスリ…