お前ら、くたばらねえとなあ 映画館にも満ちる世の怒り

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編集委員・石飛徳樹
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コラム「シネマ三面鏡」

 豊田利晃監督の新作「全員切腹」の試写を見た。1度目はスクリーンで。2度目は自宅のテレビで。映画館の魅力は大きな画面で映像を見ることだと思っていたが、むしろテレビとの違いは音の迫力にあると感じた。

 テレビの画面はかなり大きくなったが、映画館の音響を自宅で再現するのは難しい。映画館とは、音に浸りに行く場所であると定義してみたくなった。

 「全員切腹」は26分の時代劇だ。舞台となるのは「欲にまみれた天下のおひざ元」。疫病が流行している。浪人らしき雷漢吉右衛門窪塚洋介)が、お上から切腹を命じられる。市中の井戸に毒をまいた罪だという。雷漢は「そんな覚えはねえ」と否認し、立ち会う役人たちに向かって「疫病を広めているのはお前らなんだよ」と言い放つ。

 豊田監督は2019年の「狼…

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