お父さんはカラスの巣が好き?AI検知サービス開発秘話

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山本知弘
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 電柱上のカラスの巣をAI(人工知能)が見つけて素早く知らせてくれる。そんなサービスをNTTの子会社が開発した。停電対策の省力化に役立てようと、3年がかりで学ばせた巣の画像は1万枚。「カラスだけでもうかるの?」という社内の声を押し返し、担当者が思い描くのは、さまざまなインフラをAIで効率よく点検できる未来だ。

 「お父さん、カラスの巣があったよ!」。NTTコムウェア(東京都港区)で働く渡丸(とまる)智仁さん(41)は、幼稚園児だった娘から散歩中にかけられた声が忘れられない。「きっと、私が大好きなものだと思ったんでしょうね」。近所の公園で拾った枝で巣の模型をつくったり、家族と出かけた動植物園でじっくりと巣を観察したりする様子を見られていた。

 「カラスの巣が大好きなお父さん」。娘にそんな誤解を受けてまで開発に打ち込んだのが、カラスの巣をAIが自動で見つける「営巣検知サービス」だ。カメラを載せた車やバイクを道路に沿って走らせると、周囲を撮った動画をAIが走行中に自動で分析し、巣のある場所をメールで知らせてくれる。無数の電柱に目をこらして巣を探す「人の目頼み」の作業を代替できる新サービスとして4月に売り出した。

 売り込み先は全国の電力会社だ。春に子育てをするカラスは、電柱の上に好んで巣をつくる。材料にはハンガーなどの金属部品が使われることがあり、送電線に触れればショートして停電の原因になる。カラスの巣による停電は毎年、各地で起きている。どこにできるかわからない巣を探すパトロールと、見つけた後の撤去作業は電力会社にとって欠かせない作業だ。

 AIが自動で巣を見つけてくれるなら、人はパトロール中に運転だけに集中できる。巣のある場所が即座にわかるので、撤去作業の手配もスムーズにできる。

 開発のきっかけは、渡丸さん…

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