危ない、うるさい、壊れる…スケボー金メダル連発で公園は変わるか?

スケートボード

照屋健
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 「東京オリンピックで金メダルをとった選手が練習していた場所は今、使用禁止なんです」

 スケートボードの全種目が終わった5日午後。日本スケートボード協会競技委員の冨田誠さん(48)や高校生ライダーたちが国会議員会館である議員に訴えた。安心してスケボーができる場を作ってほしい、という願いからだった。

 五輪会場の有明アーバンスポーツパークがある東京都江東区には、スケボーができる場所が3カ所ある。ただ、十分とはいえない。

 男子ストリートで金メダルを獲得した堀米雄斗(22)がかつて技を磨いたのは、江東区と江戸川区にまたがる都立大島小松川公園の一角。そこも、今は都立公園条例をもとに、看板が立てられ、スケボーは禁止されている。公園を訪ねると、「スケートボード禁止」と書かれた赤いコーンが6個、置いてあった。

 「日本の強さに注目が集まるけど、環境なんか、いいわけがない」と冨田さん。女子パークで金メダルをとった四十住さくら(19)が地元の和歌山県から車で2時間かけて練習場に通ったエピソードが報じられたが、冨田さんは「なんでそんなに苦労しなきゃいけないのかを知ってほしい」という。

 板が飛んで危ない、騒音がうるさい、ベンチや縁石が壊れる……。スケボーをすることで、周囲から来る苦情は少なくない。

 「基本的に公園は使えないし、路上もダメ。ちょっと滑れば、マンションの方から苦情がきて、トラブルにもなる。大人は車があるから移動もできるが、子どもたちは気軽に楽しめない」とスケボーショップを営む江東区スケートボード愛好会の永関幸一さん(58)。茨城県笠間市などでは公営のスケボーパークができてきたが、新型コロナウイルスの影響で家にいる人が増え、物音などささいなことからトラブルになるケースも増えたという。

 江東区は、有明にあるスケボー競技会場を恒久施設として残す方向で都と調整しているというが、地元のスケーターたちの思いは複雑だ。「もちろん、すばらしい施設だが、あそこで滑れるのは上級者だけ。サッカーにたとえれば国立競技場だけあって、人工芝のグラウンドがないようなものです。一番足りないのは、子どもたちが滑る場所」と関係者。

 競技後も互いにたたえあい、ハグし合う競技の魅力は伝わった。これから、スケボーをやりたいという子も増えると思う。だからこそ、競技環境にも目を向けたい。(照屋健)