経産省、放射性廃棄物の輸出を検討 廃炉の大型機器想定

新田哲史
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 経済産業省放射性廃棄物を海外に送って処理できるよう規制の見直しを検討する。原発廃炉などで発生する大型機器を想定している。国際条約では相手国の同意がある場合に限り放射性廃棄物の輸出を例外的に認めているが、国内法は原則禁じている。

 放射性廃棄物に関する国際条約は「放射性廃棄物は発生した国において処分されるべきものである」としている。外国為替及び外国貿易法外為法)は通達で輸出を原則禁じている。

 廃炉作業では、重さ数百トンのものもある蒸気発生器といった大型の廃棄物も出る。そのまま保管すると発電所内のスペースを圧迫するとして、海外業者に処理を委託できるよう、原子力業界などが規制緩和を求めていた。

 条約は相手国の同意があれば、放射性廃棄物の国境を越える移動を認めている。経産省は輸出を禁じる原則は守りつつ、外為法の通達で例外的な規定を設けられないか検討する。4日の有識者会議でおおむね了承された新たなエネルギー基本計画案でも、「海外事業者への委託処理を通じ、輸送も含む運用の実績を積むことが可能となるよう、輸出規制の見直しを進める」とした。

 具体的には、蒸気発生器や給水加熱器、輸送用・貯蔵用キャスクの3機器に限り、相手国で再利用されることなどを条件に輸出を認める案がある。相手国としては、廃炉事業が進む米国やスウェーデンなどを想定している。

 ただ、輸出は放射性廃棄物の処理を海外に押しつけるものだとの懸念もある。エネルギー基本計画案に盛り込まれたことで、経産省の対応を疑問視する声も出ている。(新田哲史)